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退職金の運用を始める前に検討すべきこと


2022年10月4日

最近、退職金の運用相談が増えています。
主に、退職金運用に関心を持つきっかけは次のようなときではないでしょうか。

・預金だけでは増えないし、まとまったお金が入ったから運用してみよう
・銀行から勧められ、放っておいても仕方ないし、とりあえず・・・

このようなきっかけでしっかりと計画せず始めてしまい、失敗してしまうことがあると感じます。

特に気をつけないといけないのは、運用をしたことが無い方が、退職金等で初めて投資を始めるケースです。この場合は投資経験が無い為に、勧められた商品を鵜呑みに投資をしてしまう傾向があります。

金融機関には「販売する事情」があることを知っておく

投資信託や年金保険などの運用商品が最近では、銀行や郵便局で積極的に販売されるようになりました。

従来、銀行のビジネスモデルは預金を集めて、集めた預金を企業や個人へ貸付して得られる、預金と貸付する資金との「利ざや収入」というものでした。

しかし、超低金利の環境では企業は銀行以外での資金調達方法が増えて来ていますし、個人向けの住宅ローンは低金利競争が激化しており、大きな利益は見込めません。また、国債で運用しても、マイナス金利下では大きな収益は見込めません。

一方で投資信託や保険(年金保険や外貨保険)を販売すると、販売手数料を受け取ることが出来ます。これは、住宅ローンや国債の運用よりはるかに収益獲得に確実性があり、有利なビジネスモデルではないでしょうか

実際の相談を受けたケースですが、以下のような内容でした。

・銀行から勧められて、退職金運用用プランを契約したけど、これで良かったのだろうか
・銀行で外貨保険をおすすめされ、よく分からず契約したけど、これで良かったのだろうか

このように、元本保証である預金だけで退職金を運用していればこのような悩みは無いかもしれません。しかし、現在の低金利の環境では上記のように契約後の相談が寄せられます。

これは、契約したものの、内容をよく分からず、今後どうすれば良いか担当者からフォローなどが無い場合に不安になり、お客様から相談を頂いているように感じます。

例えば、外貨建て保険では、「見かけの利回りの良さ」もあって勧められるがままに契約したものの、後からデメリットがいくつかあることを知った。そもそも保険である必要はなかったなどトラブルになるケースも少なくありません。特に保険契約は短期での解約をすると、大きく元本割れをすることもあるため、より慎重な検討が必要です。

これらのことは、商品ありきで選定してしまったがために、ご自身のライフプランや状況にあってなかった(ミスマッチしていた)ことが原因として起こっているように感じます。

・よくよく考えてみたら本当は保障はいらないのに、保険契約をしてしまった。
(保険である以上は何かしらの保障コストがかかるため、純粋な運用には不向きです)

・老後の大切な資産であり、長期的な視点で検討すべきだったのに、目先で儲かりそうなものを選んでしまった。

上記のような失敗を避けるには以下のプロセスで検討すると良いでしょう。

資産運用を始める前に準備すること

1,資産状況を整理する

退職金は勤続年数が大きいほど受取予定の金額も大きくなります。また、勤続年数が多いほど退職所得控除も大きくなり、支払う税金も少なくて済むことも多いです。まとまった資金が入ってくると資産状況も変わって来ます。その際に、資産状況(預金、株式、投資信託)や負債状況(住宅ローン、カードローン)等を整理して、現状を把握する。

2,ライププランシミュレーションを行う

退職後は収入が年金のみになることが多く、勤めていた時期よりも収入が減る傾向にあります。したがって、リタイア後の支出を大きく減らさない限りは、預貯金を取り崩していくことになることが一般的です。
そうすると退職金は老後の重要な生活資金となります。退職金と現在の資産状況を考慮して、
将来必要な生活費はどのくらいか、それに対して年金収入や貯蓄がどの程度あり、資産を増やす必要があるかなど、予めシミュレーションをすることが肝要です。

3,逆算して退職金運用を検討する

人生100年時代と言われますが、年金生活を65歳から開始したとすると、100歳までは35年、平均余命の考え方でも約25年以上も年金生活が続きます。リタイア前よりも収入が減る状況では、資産の取り崩しとなることも多く、退職金は重要な生活資金となります。その退職金運用についても、そもそもどのくらいの期間で、いくらくらいの金額を運用することが出来るのか、そして、目標とする金額や利回りは?どれくらいのリスクまでなら許容できるのかなどの運用計画を踏まえて、商品選びを検討してみてはいかがでしょうか。そうすることで、購入後のミスマッチを大きく減らすことができると思います。

弊社では、運用プランを考える前にまずライフプランシミュレーション作成します。そして「運用をはじめる前の10項目」の検討事項をお客様と一緒に考えています。実際に退職金を運用する前にまずは上記のことをしっかりと検討してみてください。
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※ 平均余命とは、ある年齢の人々があと何年生きられるかいう期待値のことで、厚生労働省の簡易生命表で知ることができます。最新(令和3年度)の簡易生命表では、男性は65歳だと19.85年、女性だと24.73年となります。これも今の平均余命なので、当然ですが、将来の平均余命は変わることがあります。

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執筆者  北 辰一郎

シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー(CFP)

大学卒業後、大和証券に入社。 個人富裕層、法人顧客への資産運用設計コンサルタントに従事。営業表彰などを受賞。より地域に根差し、顧客本位な仕事をしたいと感じシグマ株式会社に入社。ファイナンシャルプランナーの上級資格である(CFP)を保有し、ライフプランに基づいた資産形成や資産運用のアドバイスはもちろんのこと相続や不動産など資産全般の相談に強みを持っている。
【趣味】 フットサル

【座右の銘】 思考は現実化する