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減る年金、増やせ老後資金

2017年3月24日


減る年金、増やせ老後資金

 現在のような超高齢社会で、なかなかお給料も増えない環境が続くと、徐々に年金が減ることは避けられません。でも、だからといって悲観的になっているだけでは、それこそ「老後破綻」が現実になってしまうかもしれません。前向きに、自助努力をしていく必要があります。

そもそも、公的年金も「ただ」でもらえるものではなく、多くの人が給与天引きで保険料を支払っているのですから、もうひと頑張りが肝心なのです。

さて、どうやってもうひと頑張りをするかです。みなさんはお金を貯めるとき、まず最初に何をしますか?

家計簿を作って、どこを削れるかを考えると思います。「食費を減らそうか」とか、「携帯電話の料金プランを見直そう」とか、「主人のお小遣いを減らそう」など、とにかく節約をして、残ったお金を貯蓄にまわすはずです。確かに、この方法はとても大切です。でも、あまりやりすぎるとストレスも溜まりますし、場合によっては夫婦喧嘩が始まってしまうかもしれません。しかも、ある程度お金が貯まったとしても、「いままで節約で頑張ったから」と自分へのご褒美に大きな買い物をしてしまうこともあります。これでは、なかなか思うように将来の資金作りは進みません。

そうではなくて、まず最初に、貯蓄にまわしたいお金を引き去ってみてはどうでしょうか?この方法だと確実に資産作りが可能になります。

例えば、毎月1万円を貯めると決めます。ここで、家計簿を作る必要はありません。極端に言えば、毎月の支出について考える必要もありません。ただ、1万円を貯蓄にまわすと決めるだけです。そして、毎月お給料をもらったと同時に、何よりも先に、この1万円を別口座に入れます。ただこれだけです。

先ほどの例とどこが違うの?と思われるかもしれませんが、実は大きな違いがあります。考え方、発想の転換です。式に表すとわかりやすいかもしれません。最初の事例の考え方は、

です。一般的には、収入はそんなに変動はしないので、お金を貯めようと思うと支出を減らすしかありません。そのため、支出を減らして、貯蓄を増やすという発想になりがちです。

一方で、後者の例を式に表すと次のようになります。

「貯蓄」と「支出」の順番が変わりました。この考え方では、まず先に、貯めたいと思う金額を収入から差し引きます。もともとその収入は”なかったもの”と考えるのです。30万円の手取りの人であれば、最初から29万円の手取りだったと思うだけのことです。年収が1000万円あったら、1000万円分使ってしまうのが通常の人間です。でも、最初から300万円の年収だと思えば、そのなかでやりくりをするはずです。
つまり、「どの支出を削ろうか」と考えるのではなく、「いくら貯める」かという発想の転換が必要なのです。そして、そのお金は「そもそもなかったものとする」というのが成功のコツです。

1000万円を貯めるのは簡単?

必ず貯蓄ができるようになるコツは、「収入-貯蓄=支出」への発想の転換でした。ただ、これだけでは、やる気が湧いてきませんね。本当に貯蓄を実行に移すためには、具体的な目標設定が欠かせません。ここでは、1000万円を貯めることを目標としてみます。

30歳の人が、「60歳までに1000万円貯める!」と決意したとします。期間は30年間です。まずは単純に、月当たりの貯蓄額を計算します。

1000万円÷(30年×12ヵ月)=27,777.77…円

およそ28,000円です。毎月28,000円ずつお給与から差し引き、別の口座に移して使わないようにする。これを続ければ、30年後には必ず1000万円は貯まっています。30万円の手取りの人が、そもそも27万8000円の手取りだったと思い込めれば、1000万円は貯蓄可能です。とても簡単です。

ただ、これは金利が0%の場合です。もし、金利が1%(複利年率)つくと仮定すると結果は大きく変わってきます。毎月の貯蓄額に1%複利運用をしながら、同様に1000万円を貯めようとすると、毎月の貯蓄額はいくらになるでしょうか。
答えは、23,831円です。
金利が1%ついただけで、毎月の貯蓄額は25%以上もダウンしています。ついでに、3%、5%で運用できた場合を考えてみましょう。

3%で運用できた場合は17,160円で
5%で運用できた場合は、なんと12,015円まで下がります。

全く金利がつかないときの半分以下の貯蓄額になりました。
毎月12,015円で老後に1000万円が貯まる!と思えば少しやる気が湧いてきたのではないでしょうか。意外と簡単に資産形成はできるかもしれませんね。