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資産形成の心がまえ

2017年12月12日


資産形成の心がまえ

 2016年2月に国内初!のマイナス金利が導入されました。これによって、預金金利も軒並み下がり、大半の銀行の普通預金は0.001%となってしまいました。この威力はどれほどのものかといいますと、1000万円を1年間預けてもらえる利息はわずか100円というものです。もともと低金利ではあったものの、まさに「預金をしても増えない」状態になったといえます。

そんななかで、将来のための資産形成はどのようにしていったらよいのでしょうか。
話を具体的にするために、30歳の人が、「60歳までに1000万円を貯める」ことを目標にしたとします。期間は30年です。まずは単純に、月当たりの貯蓄額を計算します。
1000万円÷(30年×12ヵ月)=27,77777…円
およそ28,000円ですね。毎月28,000円ずつ貯蓄をしていけば、30年後には必ず1000万円は貯まっています。

ただ、これは金利が0%の場合です。もし、金利が1%(複利年率)つくと仮定すると結果は大きく変わってきます。毎月の貯蓄額に1%複利運用をしながら、30年で1000万円貯めようとすると、毎月の貯蓄額はいくらになるでしょうか。
答えは、23,831円です。
金利が1%ついただけで、毎月の貯蓄額は25%以上もダウンしています。ついでに、3%、5%で運用できた場合はどうでしょうか。

3%の場合は17,160円
5%で運用できた場合は、なんと12,015円まで下がります。
全く金利がつかないときの半分以下の金額になりました。

1000万円を貯めるための積立年数別運用利回り(円)

 それはそうだけど、「そんなリターンのものは世の中に存在しない」と言われるかもしれません。確かに、元本保証のものは存在しないでしょう。ただ、2つのポイントを抑えれば、賢く資産形成をすることは可能だと思います。1つは「時間を味方につけること」、そしてもう1つは「リスクと上手に付き合うこと」です。

実際に、この2つを踏まえて、30年前から実践していれば年率6.5%ほどのリターンを得られたものもあります。それは、「世界の株式」への投資です。下の図は、MSCIワールドインデックスと世界のGDPの推移を表したものです。MSCIワールドインデックスとは、先進23カ国を対象とした株価指数のことです。


ご覧の通り、騰がったり下がったりしています。しかし、長期的に見れば大きく上昇しているのがわかります。この指数は、30年前に比べると現在(2016年末)は、6.6倍程度になっており、年平均リターンは約6.5%です。

 株式と聞くと、「ギャンブル」とか「リスクが高い」というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。もちろん株式をギャンブルの道具にすることもできますし、扱い方によっては資産を大きく減らしてしまうこともあります。しかしながら、上の図が示すように、時間はかかったけれども資産を大きく殖やす道具にもなりうるのです。

でも、これまでは良かったかもしれないけど、今後も「世界の株式」は上昇を続けるの?という質問をよくいただきます。私は、これまでと同様に、騰がったり下がったりはするものの、長期的には上昇を続けると思います。それには簡単な2つの理由があります。1つは、人間には”欲”があるからです。「もっとおいしい料理を食べたい」とか「お洒落な服を着たい」など、よりよい生活を求め続けることが、経済成長の原動力になります。そして、もう1つは、新興国をはじめ世界の人口が増え続けていることです。人が増えていけば、それだけモノが必要になります。国連によると、2013年時点で世界の人口は72億人と推計されています。そして今後も増え続け、2050年までには96億人に達するといわれています。

先ほどの図に戻りますが、「世界の株式 」と「世界のGDP」は全くイコールの動きをするわけではありませんが、長期的には比例した動きになっています。つまり、世界経済が成長していく限りは、世界の株式も上昇を続けると考えられるのではないでしょうか。