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資産配分の定期的な見直しはなぜ必要?

2021年1月10日


資産運用の世界には「最適」という言葉があります。「最適」とは何を意味するのでしょうか。

1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコビッツ氏が唱えた「現代ポートフォリオ理論」というものがあります。

それによると、「最適」とは、取るリスクに対し、期待できるリターンが最も高く効率的だという意味での「最適」です。

無数に考えられる組み合わせの中から、「最適」なポートフォリオを選んでいます。これは、世界の機関投資家や富裕層の資産運用でもよく用いられる、スタンダードな方法です。

現代ポートフォリオ理論の考え方を見てみましょう。

資産をどのような割合で組み合わせるかによって、リスクや期待されるリターンは異なります。もしリスクが同じポートフォリオがいくつかあるならば、その中で期待されるリターンが最も高い組み合わせを選ぶのが合理的です。つまり、どの程度のリスクを取るかを決めると、その中で最も高いリターンが期待できる「最適ポートフォリオ」が決まります。

決して「商品ありき」ではないということです。またリスクが同じものなら期待リターンは最も高いものが良いということが言えます。

リスクが同じでも期待リターンが最も高いのが「最適ポートフォリオ」

投資信託の投資対象となっている金融商品は、商品ごとに異なる値動きをしています。プラスのほうに大きく値が動けば、ポートフォリオの中の相対的な割合が大きくなり、当初考えたポートフォリオのバランスが崩れてしまいます。このようなバランスが崩れた状態が見つかったら、「リバランス」といって資産配分の見直しが必要になります。
リバランスの3つのメリット
①最適なポートフォリオを維持できる
②パフォーマンスの向上が期待できる
③リスク(価格の変動)とリターンを再確認できる
ではそれぞれ説明していきます。

①最適なポートフォリオを維持できる

例えば、株式と債券の投資信託を半分ずつ持っていたとします、株価が上昇すれば株式の投資信託の比率は高まります。逆に株価が下落すると、株式の投資信託比率が低くなり、バランスが崩れてしまいます。これをリバランスによって元の水準に戻します。それによってもとの最適なポートフォリオに近い水準にもどり維持しやすくなります。

②パフォーマンスの向上が期待できる

株価が下がることにより株式投資信託の比率が下がっており、リバランスにより債券型投資信託を売却して、株式型投資信託を下がったところで追加購入することで全体として株価が上昇した場合には全体のパフォーマンスは向上します

適切であればそのままで良いですし、最適と異なる場合は見直しの必要が出てきます

リバランスによって資産配分のバランスが整えられ、リスクを低く抑えることができます

ただし、リバランスをする際には購入時手数料がかかったり、売却時譲渡益税が差し引かれたりするため、運用できる資金が目減りしてしまうこともあります。戦略的に行うとよいでしょう。

③リスク(価格の変動)とリターンを再確認できる

リスクとは値下がりする確率という意味ではなく価格の変動幅を意味します(詳しくは、投資におけるリスクの本当の意味

高いから良い、低いから悪いというものではなく上限の変動幅(ブレ)を意味します。保有しているものを分析してみることで現状のリスク・リターンを再確認出来ます。

 

 

投資対象の資産の割合が変化したときに重要なリバランスですが、ライフスタイルが変わるときも資産配分の変更が必要です。これをリ・アロケーション(基本配分の変更)ともいいます。

例えば、今までは、株式を中心としたリスクが大きい代わりにリターンが大きくなるポートフォリオで運用していたが、子どもが生まれ、将来必要なお金の額が見えてきた場合や、子どもが大学に入るときなどまとまったお金が必要なときに、資産価値が下落していては困るという場合などライフスタイルが変わることによって考え方が変わりそうなときはリ・アロケーションを考えてみましょう。

また退職した後も年金以外の収入が入らないことが想定される場合に資産価値が下落していては困るという場合などにも見直しをすることが必要です 一度ライフプランシュミレーションを作ってみて考えてみて検討してはいかがでしょうか?

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執筆者  北 辰一郎

シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー(CFP)

大学卒業後、大和証券に入社。 個人富裕層、法人顧客への資産運用設計コンサルタントに従事。営業表彰などを受賞。より地域に根差し、顧客本位な仕事をしたいと感じシグマ株式会社に入社。ファイナンシャルプランナーの上級資格である(CFP)を保有し、ライフプランに基づいた資産形成や資産運用のアドバイスはもちろんのこと相続や不動産など資産全般の相談に強みを持っている。
【趣味】 フットサル

【座右の銘】 思考は現実化する