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退職金定期預金キャンペーンの活用方法と注意点。

2017年12月12日


退職金的預金とは?

各銀行が力を入れているのが退職金定期預金です。その名の通り、退職金を預け入れする場合にのみ利用ができる定期預金で、この低金利の時代に高い金利がもらえることで人気を集めています。円での預金のため、リスクなしの安心な定期預金と言えますが、いくつかの注意点もあります。

退職金定期預金のメリットは高い金利

退職金定期預金のメリットはなんといっても高い金利です。今では見ることがほとんどない数%代の金利に設定してあることも少なくありません。退職金というまとまったお金だからこそそんなに高い金利で運用できるというのは大きなメリットと言えます。

退職金定期預金のリスクはあるの?

商品性自体は普通の定期預金と同じです。元本や利息は銀行が保証しています(元本保証)。万が一銀行が破綻してしまっても1000万円とその利息までは保護されます(ペイオフの対象)。もちろん途中解約も可能ですが、その場合は中途解約利率が適用されて多くの場合は普通預金並みの金利になってしまいます。

退職金定期預金の注意点

退職金定期預金はなぜこんなマイナス金利の時代に数%もの高い利率をつけられるのでしょうか。銀行側からしたら赤字確実なのにです。理由簡単です。「退職金というまとまった資金を銀行で運用してもらうため」といえるのではないでしょうか。

見た目より低い「利率」に注意

退職金定期預金は見た目よりも低金利になっていることが多いです。ポスターやチラシなどに大きく「(年率)4.0%」と書いてある横に、少し小さめの字で【3ヶ月】などと記されています。これは「年率換算すると4%ですが、実際には3ヶ月の定期のため、もらえる金利も3カ月分の1%ですよ。」という意味です。例えば1000万円預けたとすると、3ヶ月後に実際にもらえるのは1%分の10万円です。(税引き後約8万円)これがそのまま1年続けば40万円で4%ですが、3ヶ月定期ですからそこで退職金特別金利は終了してしまいます。もちろん実質が1%分であっても今の時代にはとても魅力的な金利ですので、検討する価値は十分あるでしょう。

投資信託やファンドラップとの同時購入に注意

投資信託やファンドラップ(複数の投資信託を組み合わせて金融機関がおまかせ運用してくれるもの)との同時購入をする場合には最も注意が必要です。これをすると、せっかくの高い金利はほぼ帳消しになることがあります。

例えば先ほどのように「4%(年率)」【3ヶ月】のケースですと、実質もらえる金利は預けた金額の1%になります。1000万円預けると、もらえるのは税引き後で8万円弱です。一方で投資信託の購入手数料はおおむね3%程度かかることが多いですから、同額の1000万円分購入すると手数料だけで30万円かかり、差し引きマイナス22万円です。

また、最近よく目にするファンドラップについても注意が必要です。ファンドラップとは、「顧客のリスク許容度や投資目標に合わせて、金融機関の専門家のアドバイスをもとに、いくつかの投資信託を組み合わせて運用するサービスのこと」を言います。もう少しわかりやすくいうと、「あなたのために、数ある投資信託のなかから最適なものを選んで運用します」というような感じです。一見オーダーメードのようにも見えますが、実際には「安定型」~「積極型」などの数パターンのなかから選ぶためほとんど既製品といってもいいかもしれません。ファンドラップの注意点は、ランニングコストの高さです。投資信託と異なり購入時の手数料がかからないのが一般的ですが、その分保有している期間にそれなりのコストがかかります。具体的には、ラップにかかる管理料等で年率1%~2%程度、そして中身の投資信託にも0.5%~2%程度のランニングコスト(信託報酬等)がかかるため、高いものだとトータルで4%に達するものもあります。いくら世界の国々が日本よりも金利が高いといっても、年間4%以上のリターンを安定的に享受するのは至難の業と言えるでしょう。

もちろん投資信託などを活用して上手に運用ができれば、資産が増える可能性もあります。ただ、その場合はまず投資信託や資産運用の知識を少しでもつけて、「資産運用ありき」で退職金定期を検討すべきでしょう。高い金利に釣られて資産運用をはじめるべきではないと思います。

「この金利は大変お得なので、投資信託の方は手数料分だけ値上がりしたら解約しましょう。」などの勧誘もあると聞きましたが、もし値下がりしてしまったらどうするのでしょうか。投資初心者の人ほど慎重に検討してほしいものです。

「おこづかいのようにもらえる」毎月分配型にも要注意

「投資信託は良く分からないし怖い気もする」と思っていてもついつい購入してしまうのが毎月分配型と呼ばれる投資信託です。その名のとおり、毎月「おこづかいのように」分配金がもらえるというのが売りの人気商品です。日本の投資信託の純資産ランキングトップ10はすべてこの毎月分配型ですのでその人気ぶりがうかがえます。「100万円分購入すると毎月1万円の分配金(年間分配金利回り12%)」などという投資信託はざらにあります。このような一見すると魅力的な商品ほど注意が必要です。分配金と聞くとなんとなく、もうけの「分配」のような錯覚をしてしましますが、決してそうとは限らないのです。(詳しい仕組みは○○○○)ちなみにこの毎月分配型投資信託については金融庁もかなり厳しく批判をしています。

もちろんすべての毎月分配型投信が悪だとは思いませんが、少なくとも購入する場合には分配金の仕組みについて知っておく必要があると思います。そして、本当に自分にその仕組みが必要なのかを考えることが大切でしょう。

退職金定期預金の活用法のまとめ

退職金にのみ優遇される高金利かつ元本保証の退職金定期預金は、たとえ【3ヶ月もの】であってもこの低金利の時代には大変に魅力的な商品と言えるでしょう。ぜひ有効に活用したいものです。

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