「年金だけだと不安。定期的な収入が欲しい」
「生活費が月々の給与では足りない。何か別の収入があれば・・・」
こんなことを考えたことはありませんか。
もし、資産運用によって安定収入を得ることができれば、安心に繋がりますね。では、実際にどのような方法があるのかや、注意点、作り方(具体例)をご紹介したいと思います。
目次
■安定収入(定期収入)の種類
■具体例 月20万円の安定収入を作るには?
■安定収入を作るための注意点
■まとめ
※安定収入を本文では「年金や給与以外の定期収入」と定義しています。
■安定収入(定期収入)の種類
企業が発行する株式を購入して「株主」になると、配当金を得ることができます。配当金は通常、年間に1~2回得ることができ、継続的にリターンを見込めるものの1つです。配当金は企業の業績によって増減します。業績がよいときは高額の配当金が得られる可能性もある一方で、業績が悪くなると配当金が減少したり0円になることもあります。また株価は、経済や世界情勢などの影響を受けやすく、暴落するリスクもあります。最悪の場合、企業が倒産してしまうと株式の価値がゼロになってしまうケースもあるため、注意が必要です。
債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金調達をするため、投資家からお金を借りる際に発行する証券(有価証券)のことで、いわば借用証書のようなものです。
国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債などがあります。
債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取り、満期日(償還日)を迎えると額面金額である償還金および利子を受け取ることができます。
ただし、債券の発行体が破綻した場合などには、元本や利子が支払われないことがあります。
株式同様に売買は出来ますが、満期前の売却(途中売却)は不利になることもあり、株式や不動産と比較して収益性が低い傾向にありますが、安全性は高い(ローリスク・ローリターン)と言われます。一例ですが、比較的利回りが高い米ドル建ての債券を以下に3つ挙げてみます。
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて享受できる仕組みの金融商品です。
投資信託における分配金とは、運用によって得られた収益等を決算ごとに投資家(投資信託の購入者)に分配するお金のことです。
分配金利回りとは
ちなみに、分配金利回りと呼ばれる指標があります。購入金額に対していくらの分配金もらえるかを年率化したものです。仮に、100万円分購入して、毎月1万円(年間12万円)もらえれば、分配利回り12%といったイメージです。「とにかく沢山の分配金が欲しい」という方は、分配金利回りを参考にしてもいいのかもしれません。
こう見ると、分配金利回りが高いファンドや米国へ投資するファンドが多いですね。
預貯金の利息との違いに注意!
分配金と混同しやすいものとして、預貯金の利息や株の配当金があります。まず、預貯金の利息は、事前に決められた利率にもとづいて支払われますが、分配金はあらかじめ金額が定められているわけではなく、運用状況によって増減し、支払われない場合もあります。また、分配金を受け取ると、支払われた分配金の分だけ運用資産は減少します。そのため、部分的に解約をしていることと同じとも言えます。また、分配金は運用益以外からも支払われることがあることには注意が必要です。
※弊社のコラムでも何度か取り上げています。
不動産投資とは、アパートやマンションなどの不動産を直接購入し、その家賃から収益を得る投資のことを指します。簡単に言うと、物件の「オーナー」いわゆる「大家さん」になることです。
※上図は参考例です。取引を推奨するものではありません
先程の、ハイリスク・ハイリターンな株式やローリスク・ローリターンな債券と比べて、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」な投資とも言われています。
実物不動産のメリットは、借入金を利用することで手元資金以上の金額を投資に回すことができます。とはいえ、取得後の運営や管理において手間やコストがかかったり、建物の修繕などの大きな出費があることも考慮する必要があります。
定期的な収入を確保できますが、直接の不動産投資はハードルが高いと感じる場合には、金融商品としての「REIT(不動産投資法人)」を活用する方法もあります。
REIT(リート)とはReal Estate Investment Trust (不動産投資法人)の略称で、複数の投資家から資金を集めて不動産を保有・運用して得られた賃料収入を元に投資家へ分配する投資信託
の一種です。ファンドを通して間接的に不動産に投資する仕組みと言えます。
REITの仕組みを図で表すと下記のようになります。
ここまで4つの手段を挙げましたが、「安全性」「収益性」「流動性」の3つのポイントで比較してみると下図のようになります。
仮に安定収入が月20万円あれば、趣味にかけるお金が増えたり、将来に向けて貯蓄することもできるかもしれません。贅沢をしなければ生活費としても困らないでしょう。
月20万円(年間240万円)の収入を何らかの資産運用で得るには、以下の資金が必要となります。
利回り3%の運用:8000万円 (240万円/0.03)
利回り5%の運用:4800万円 (240万円/0.05)
利回り10%の運用:2400万円 (240万円/0.10)
参考までに、代表的な資産運用方法の期待利回りの目安を紹介します。
株式配当:2%~5%程度
債券:4%~5%程度 (米ドル建て)
不動産投資:3%~5%程度
REIT:3%~5%程度
分配型投資信託:0%~20%程度 (投資信託の分配金は、部分解約に近いため注意)
金融商品は、クルマなどの製品と違って目に見えないため、一般的には理解が難しいとされています。
購入したあとで「こんなはずじゃなかった」「こんなリスクがあるとは知らなかった」という声を聞きます。
上記のように安定収入の作り方にはいくつかの方法があります。しかし、注意点もいくつかあります。
そのため、利回りだけを見て投資するのではなく、それが抱えるデメリットやリスクをしっかりと理解することが大切です。
もし、投資先に迷われている場合には、お気軽にお声がけください。
シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー(CFP)
大学卒業後、大和証券に入社。 個人富裕層、法人顧客への資産運用設計コンサルタントに従事。営業表彰などを受賞。より地域に根差し、顧客本位な仕事をしたいと感じシグマ株式会社に入社。ファイナンシャルプランナーの上級資格である(CFP)を保有し、ライフプランに基づいた資産形成や資産運用のアドバイスはもちろんのこと相続や不動産など資産全般の相談に強みを持っている。
【趣味】 フットサル
【座右の銘】 思考は現実化する