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ビットコインはバブルなのか!?

2018年1月5日


ビットコインの高騰

2017年はビットコインの高騰がメディアを賑わせました。年初に30万円ほどだった価格は、12月に入り一時250万円を突破。この上昇相場の中で大勢の人がビットコイン投資に参戦し、仮想通貨の取引所や、FX(証拠金取引)などを提供する事業者も多数登場しました。

エコノミストの中には、ビットコインはまだまだ成長途上で、500万円を超えるまで勢いは止まらないと予言する人もいれば、既にバブルの終わりに差し掛かっており、そろそろ手仕舞いすべきだと警告する人もいます。

ビットコインはこれからも上昇を続けるのでしょうか?それとも、バブル(泡)のようにある日突然消えてなくなってしまうのでしょうか?

この記事では、ビットコインの現状やバブルの歴史を振り返り、ビットコインの今後を考えます。

ビットコインとは?

ビットコインとは、インターネットで流通する仮想通貨の1つです。円やドルと同じように独立した通貨であるものの、国家の裏付けはなく、インターネット上のコミュニティの中で電子的に管理されているに過ぎません。

ビットコインは2008年に登場しました。中本哲史(Satoshi Nakamoto)と名乗る謎の人物が著した論文の中で、ビットコインの核となる分散処理や暗号化の仕組みが提唱され、世界中の多くの技術者に影響を与えました。2009年には最初の取引が行われ、以来、急速な発展を遂げて現在に至っています。

ビットコインの他にも、企業のICO(Initial Coin Offering)による資金調達などを背景にして、新しい仮想通貨が次々に誕生しています。2017年12月現在、世界には1,000を超える仮想通過が存在すると言われています。その中の代表的な存在であり、最も注文されているのがビットコインで、その他の通貨はまとめてオルトコインと呼ばれます。

ビットコインはできたばかりの通貨にも関わらず、2017年12月時点での時価総額は約50兆円を超えるとの推測があります。既に日本のどの上場企業よりも大きい規模です。

ただし、取引所の破綻リスクやサーキットブレーカー、サイバーセキュリティ、預かり資産の管理など、既存の金融の仕組みが備えている様々な制度を仮想通貨は持っていません。そのような制約がないからこそ一瞬にして世界に広まり、普及が加速している側面もありますが、いつ重大なクラッシュを引き起こすかわかりません。技術的な観点では、ビットコインの核心であるブロックチェーン技術が、取引量の急拡大に耐えられるのか、といった問題もあります。

既に2014年には、マウントゴックス事件が起こりました。マウントゴックスとは東京にあったビットコイン交換所を運営するベンチャー企業で、一時は流通量で最大の規模を誇っていましたが、大規模な窃盗行為が発覚し、経営破綻に追い込まれました。事件の全容はいまだに解明されていません。

はたしてビットコインは、今後どうなっていくのでしょうか?一時のバブルとして終わるのでしょうか、それとも今後も着実な成長を続け、既存の通貨に比肩するような存在になっていくのでしょうか?

続いて、ビットコインの将来を考えるためにバブルの歴史を振り返ります。

バブルの歴史

バブルとは一般的に、過剰な投資が行われることで株式や不動産などの資産価格が適正な水準から大きく乖離して上昇すること、と定義されています。高過ぎる価格が永遠に続くことはなく、バブルには必ず終わりがやってきます。バブル(泡)は一瞬にして弾け、後には何も残しません。

歴史上、幾多のバブルが生まれては消えていきました。

記録に残されている最初のバブルとして有名なのは、1637年のオランダで起きたチューリップ・バブルです。このバブルでは当時目新しかったチューリップの球根が投機の対象となり、価格が当時の年収の10倍以上にまで高騰したとされています。その後、突然価格が急落し、ピーク時の100分の1以下にまで下がったともいわれています。

 バブルの語源となった南海泡沫事件(South Sea Bubble)も有名です。1720年に1株100ポンドであった株価が、6月には1,050ポンドと10倍近くに跳ね上がり、そして暴落しました。ニュートン力学を確立した物理学者アイザック・ニュートンもこの株に投資をし、大きな損害を出したことが知られています。

 近年は、約10年ごとに大きなバブルの生成と崩壊が起こっています。1987年のブラックマンデー、2000年のITバブルの崩壊、2007年のリーマンショックなどがそれにあたります。日本ではさらに1989年のバブル崩壊とその後の長い景気後退が起こりました。

バブルかどうかを見極めるためには?

一方で、バブルとして消えるのではなく、着実に上昇を続けてきた資産もあります。アップルやフェイスブックなどの有名企業は会社の成長とともに株価も伸び、今なお上値を追っています。もし10年前にアップルの株式を購入していたら、値上がりをし現在までに約8倍に膨れ上がっていることになります。

もっと小規模な銘柄、さらには不動産や新興国通貨などにも目を向ければ、バブルに終わらず価格を維持する資産は無数にあります。

それでは、バブルとそうでないものの境目は何なのでしょうかか?結論を先に言えば、それは「リアルな裏付けがあるかどうか」という点ではないかと考えられます。

かつてのチューリップも南海会社も、噂や雰囲気だけで価格が吊り上がっていったと推測されています。10年前のリーマンショックは、サブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)の価値が実態よりも高く設定され、それに多くの人が気付かなかったことが原因でした。

ビットコインの今後はどうなる?

ビットコインの将来も、価格がリアルに裏付けされた価値に見合っているかが重要です。例えば、現実的な決済システムや資産運用の対象として普及するだけの信頼性や利便性を確保できるのか、セキュリティや資産保護の観点から利用者を保護する仕組みを作ることができるのかどうか、などがポイントになってくるでしょう。

技術的に発展途上で、多くの人に投機対象としか見られてない現時点では、まだわからないことが多数あります。今後もビットコインやそれを取り巻く世界の動向を注視して、考え続けていく必要があります。