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バランス型投信のメリット・デメリットと選ぶ際のポイント・注意点

2020年11月22日


バランス型投資信託とは、株式や債券など世界のさまざまな金融資産に分散投資をする投資信託です。複数の資産に分散して投資を行うことで、景気や金利の変動などによるリスクを抑え安定した運用成果を得ることを目標にしています。リスクとリターンの関係では、ミドルリスク・ミドルリターンの投資信託といえます。

代表例としては、株式、債券、リート(不動産投資信託)などへの分散投資です。

配分の割合はあらかじめ決まっていたり、景気の変動に応じて配分が変わったりと、商品によって違います。

インデックス型で人気(純資産額が大きい)の投資信託としては、野村6資産分散投信、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)、三井住友・DC年金バランス50(標準型) 『愛称:マイパッケージ』、eMAXIS バランス(8資産均等型)、つみたて8資産均等バランスなどがあります。

では、バランス型投資信託で資産運用をする場合のメリットとデメリットには、どんなことが挙げられるでしょうか。

バランス型投資信託のメリット 

メリットには以下のようなものがあります。

・リスクが分散される

ポートフォリオの考え方として「卵を一つのかごに盛るな」という言葉がありますね。

資産を分散することで、ファンドの価格が大きく値下がりするリスクを減らすことができます。どれか1つの資産が値下がりしたとしても、他の資産が値下がりしていなければ、ファンドの価格が大きく値下がりする可能性は低くなるためで

・リバランスを自動的に行ってくれる

一般的にバランス型投信では、定期的にリバランスを行っています。例えば世界の株式と債券に50%ずつ投資をするファンドがあったとします。株価が上昇する局面では、株式の比率が増え、債券の比率が減ることになりますね。それを基の比率に戻すために、値上がりした株式部分を売って、債券部分を買い増しすることで、50:50をキープしているのです。

また、一部のバランス投信では、マクロ経済情勢などに応じて資産配分の見直しを行っているものもあります。長期的な資産運用を成功に導くためには、「資産配分が最も重要」と言われますが、運用会社やファンドチームなどの見通しに沿って資産配分を適宜変更してくれるのもメリットといえるかもしれません。

・税金面でメリットがある

先ほどのようなリバランスを自分で行おうとすると、値上がりした資産を売る際に税金がかかりますが、バランス投信であれば、組み入れ資産の入れ替えには課税されません。

対してバランス型投資信託にはいくつかのデメリットもあります。

 

バランス型投資信託のデメリット

・インデックスファンドと比較して手数料が高い

普通のインデックスファンドに比べると、信託報酬が割高になります。バランスファンドの中には、そもそも期待リターンが低い債券なども含まれていることがありますが、その債券単体で見た場合、高い信託報酬を払って投資することに違和感を持つ方もいるでしょう。

 

・基準価格の変動要因を理解しにくい

バランス型ファンドにはいろいろな資産が混ざっているので、ファンドがマイナスになった時に、何が原因なのか自分でリスクの把握がしづらいということがあります。

 

では、上記のメリット・デメリットを踏まえ、バランス型投資信託を選ぶ際のポイントについて解説していきます。

 

1.運用の目的をチェックする

運用の目的とは「10年以内に使う予定資金」「不測の事態とならない限り使わない資金」「増やしたい資金」というように資金使途をそれぞれ分けて考えることです。それに伴い、選ぶべき商品は異なります。

 

2.リスク許容度をチェックする

どの程度下落をしても保有を継続していられるか。どの程度下落を許容出来るか運用の目的から検討します。これによっても選ぶべき商品は異なります。

 

 

3.各資産への配分比率や分散の度合いなどをチェック

一般的に、株式の比率が高いほどリスクが高く、期待リターンが高くなり、債券の比率を上げると期待リターンは低くなりますがリスクは低くなります。

しかし、新興国の債券のように低リスクとは言えないものもありますのでご注意下さい。主に9資産((国内株、先進国株、新興国株、国内債、先進国債、新興国債、国内リート、海外(先進国)リート、金)の中から、商品選定を行います。

 

バランス型投資信託にはいくつかの種類があるため、運用の目的・リスク許容度に照らし合わせて選ぶことが必要です。また、コスト面から低コストのもので長期運用になればなるほど、信託報酬を含めたトータルリターンが大きく変わります。長期で保有して良いと考えられる投資信託を選ぶべきです。

 

投資信託を選ぶ時の注意点

株式相場が悪くなる時は為替も同時に円高に推移することが多く、バランスファンドを複数保有していても同時に下がることがあります。

また、想定よりも下落が一時的に大きくなってしまうファンドもあります。

そのような状況では保有継続するべきであるのに不安心理から売却してしまったりします。投資信託を購入する前に、下落した場合の備え、リスク許容度の再検討が重要です。事前にライフプランシュミレーションを作成してみて、本来取るべきリスク度合いを図ってから商品を検討することをおすすめします。

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執筆者  北 辰一郎

シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー(CFP)

大学卒業後、大和証券に入社。 個人富裕層、法人顧客への資産運用設計コンサルタントに従事。営業表彰などを受賞。より地域に根差し、顧客本位な仕事をしたいと感じシグマ株式会社に入社。ファイナンシャルプランナーの上級資格である(CFP)を保有し、ライフプランに基づいた資産形成や資産運用のアドバイスはもちろんのこと相続や不動産など資産全般の相談に強みを持っている。
【趣味】 フットサル

【座右の銘】 思考は現実化する