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どうすればいい?上場株式の相続の方法

2022年10月27日


相続が発生すると様々な手続が必要になるかと思います。その中でも上場株式をはじめとする金融資産を保有していることが分かった場合、どのような手続きをすればいいのでしょうか?

今回はその方法について説明させていただきます。

 

①誰がその資産を引き継ぐのか決める(遺産分割協議)

まずは、遺産の分割内容を決めます。相続人で均等に分割して受け取るケースもありますし、代表して相続人の中のどなたかが金融資産を引き受ける、または、売却する前提でいったんどなたかが代表して引き受け、売却・換金した後で資金を相続人で割り振る、というケースもあります。金融商品は、手軽に換金したり、分割しやすい商品が多いので、比較的柔軟に対応できます。

 

②証券会社に口座を開設する

被相続人(亡くなった人)が保有していた上場株式や金融商品を受け取るには、それぞれ保有していた証券会社に口座開設をする必要があります。もし売却して現金を相続人で分ける場合でも、被相続人名義の口座のままでは売却ができません。

 

③被相続人の資産を相続人の口座に移管する

証券口座を開設するとともに、被相続人の上場株式を移管する必要があります。

この移管手続、証券会社によっては2か月くらいかかる場合もあるようですので、売却代金を相続税の納税原資に充てようとしている場合はある程度時間の余裕を持つ必要がありますね。

 

④相続手続きに必要なもの

Ⅰ.被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・原戸籍謄

Ⅱ.相続人全員の現在戸籍謄本

Ⅲ.その他被相続人と相続人との関係を明らかにする戸籍謄本

Ⅳ.相続人全員の住民票

Ⅴ.相続人全員の印鑑証明書

Ⅵ.遺産分割協議書

ⅶ.相続依頼書

Ⅷ.口座開設者死亡届出書

Ⅸ.相続上場株式等移管依頼書

 

この中でも、「Ⅰ.被相続人の死亡が確認できる書類」は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・原戸籍謄を収集する必要があります。戸籍が各地方に移動しているケースもあるので、この資料を集めるのが大変な作業になることがあります。あとは、「Ⅴ.遺産分割協議書」についても、代襲相続などで相続人が沢山いて、相続人の所在や連絡先が分からないケースもあるため、協議書の作成が難航するケースもあります。

 

⑤その他、お得な制度

相続時にのみ可能になる制度などがあるので、知っておくと便利です。

Ⅰ.特定口座への移管

譲渡益が発生した場合に、税金を証券会社が計算や選択すれば納税までしてくれるサービスを特定口座といいますが、被相続人が一般口座で保有していた商品も特定口座に移せる場合もあります。証券会社によってはできない場合もあり得るので各証券会社にご確認ください。

 

Ⅱ.相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した時に譲渡益税が発生した場合、相続税を取得費に加算できる特例があります。

 

今後も、皆様の金融資産の相続の際にお役立ちできそうな情報を発信していこうと思っておりますのでよろしくお願いします。

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執筆者 山本 洋平
シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)
宅地建物取引士

大学卒業後、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)に入社。個人富裕層、法人顧客への資産運用設計コンサルタントに従事。より一層お客様目線のコンサルティングがしたいと考え、シグマ株式会社へ入社。
お客様の真の相談相手になりたいと考え、親身なコンサルティングを心がける。お客様の現状と将来目標をしっかりと分析し、目標を達成するためのプランを立案。金融商品も証券アナリストの目線から厳選。

【趣味】ワイン、ゴルフ、社交ダンス、YouTubeで猫とカワウソの動画を見ること

【講師実績】名古屋証券取引所IRエキスポ2019、資産運用基礎講座