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投資初心者がFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する際の注意点

2024年5月30日


NISA、円安、物価高、老後2000万円問題…最近ではこのようなワードが世間を賑わせています。

これまで投資・資産運用は「縁遠いもの」と考えていた人も、資産運用について考える機会が増えてきたのではないでしょうか。

「資産運用をはじめたいけど、何からはじめればいいの?」

「自分で勉強することが苦手」

こんな方が多いと思います。

その際にまず思いつくのが「専門家に頼る」ことだと思います。

今回は、メディアでも多く見かける資産運用の専門家=ファイナンシャルプランナーに相談する際に気を付ける点、付き合い方をお伝えしていきたいと思います。

ファインシャルプランナー(FP)とはどんな人?

ファイナンシャルプランナー(FP)は相談者の夢や目標を達成するために、ライフスタイルや価値観、経済環境を踏まえながら、家族状況、収入と支出の内容、資産、負債、保険など、あらゆるデータを集めて現状を分析します。そして相談者の立場や、ライフイベントを考慮した上で、長期的かつ総合的な視点でさまざまなアドバイスや資産設計を行い、あわせてその実行支援をします。

また、必要に応じて、弁護士や税理士、社会保険労務士、保険・不動産の専門家、銀行・証券会社などの各分野の専門家のネットワークを活かしながらファイナンシャル・プランニングを実践します。

 

ファイナンシャルプランナー(FP)の種類

ひとくくりにファイナンシャルプランナーと言っても知識や経歴などは様々で、強みの分野が異なることも多くあります。

お医者様でも外科や内科など専門領域があるように、ファイナンシャルプランナーにも専門領域があります。

日本FP協会の6つの分野
① ライフプランニング・リタイアメントプランニング (ライフプランと年金など)
② 金融資産運用設計 (証券投資など)
③ 不動産運用設計
④ リスクと保険
⑤ タックスプランニング(税金)
⑥ 相続・事業承継設計

例えば、⑤のタックスプランニングであれば、税理士系のFPが得意な領域でしょうし、④のリスクと保険では保険系のFPがより高い専門知識をもっている可能性が高まります。

つまり、ファイナンシャルプランナーと言っても、それぞれの経歴や実務経験によって大きな差があると言えそうです。

相談先を選ぶ際には、過去の経歴や実務年数などを確認することも忘れないようにしましょう。

以下は、所属先ごとに分類しています。

金融機関に所属するファイナンシャルプランナー

→銀行や生命保険会社などに勤務するファイナンシャルプランナー

自社の金融商品・不動産の販売や、サービスを主に提供します。
金融機関が資格取得を奨励することもあり、近年増加傾向にあります。

独立系ファイナンシャルプランナー

→独立したFP事務所(法人)に所属するファイナンシャルプランナー

金融機関出身の人間で構成されていることが多く、出身母体が保険会社、証券会社、不動産会社によって実務経験や知識に差がある。提案に偏りがあることも

士業系ファイナンシャルプランナー

→FP資格を取得した税理士や弁護士などの士業系ファイナンシャルプランナー

士業業務のお客様に対するサービスの一環としてFP業務を行います。

 

セミナーの落とし穴!

FPもよくセミナーを開催しています。弊社でも定期的に資産運用のセミナーを開催しておりますが、参加されたお客様からこんな話をよく聞きます。

「他の会社の『NISA・iDeCoセミナー』セミナーにも参加したけど、結局は保険ばかりを提案されたよ。」

所属金融機関、または出身母体の金融機関によって、セミナータイトルと違うものを提案されることがあるようです。セミナーに参加する際は、開催会社のホームページなどでどういった金融商品に強みを持った会社であるかを確認した方が良いでしょう。

 

こんなファイナンシャルプランナーには要注意!

FP資格を有しているか

日本では資格を持っていなくてもFPを名乗って相談しているケースもあるようです。

幅広い専門知識が求められる職業だけに、できるだけ信頼できる資格を持ったFPを選びましょう。

ファイナンシャルプランナーの資格は国家資格の「FP技能検定1~3級」と日本FP協会が認定している民間資格の「AFP」と上級資格の「CFP」の2種類に分けられます。

AFPは民間資格ですが、2級FP技能検定の合格が認定要件になっています。

相談しようとしているFPのホームページなどで確認してみましょう。

(日本FP協会HPより)

 

実務経験が確認できないまたは偏りがある

 

さきほどお伝えしたように、資格を持たなくてもFPを名乗っているケースもあるため、そのFPが過去に実務経験があるかどうかもしっかり確認しておきましょう。

また所属している金融機関、独立系のFPであっても過去に所属していた会社によって得意な分野が違ってきます。自分の相談したい内容に専門知識があるかどうか、事前にFPのホームページなどで確認しておきましょう。

 

 

ヒアリングやライフプランニングを実施しない、または形式上している

 

自分にとって良い商品、自分にあった商品というのはどういったものでしょうか。

値上がりするもの、変動が少ないもの…いろいろあると思います。

 

ではこういった状況だったらどうでしょうか。

 

20代の方で給与はあるが、資産はまだ少なく、これから資産形成が必要な方の場合。

積立投資できる時間(使うまでの時間)があり定期収入があるのであれば、この方にとって重要なことは、値動きが大きくても資産が増えるような運用。

 

60代の方で定期的な収入がなくなったが、まとまった資産が現在ある方。

運用期間(資金を使うまでの期間)が限定されていて定期収入もないのであれば、

この方にとって重要なことは、値動きが少なく使う時期を意識した運用。

 

年代1つとってもその人にとっての良い運用は違います。

その背景を適切にヒアリングせず商品を提案してくるFPがあなたにあった商品を提案できるでしょうか。

こちらからの要望がないのに商品提案から入るFPには要注意です。

 

メリット・デメリット(リスク説明)、または商品説明が形式化している

 

金融商品にはメリットもあれば、デメリットもあります。

メリットについては提案時に多くのFPがしっかりと説明します。

デメリットについては最後に簡単に説明されたりすることが多く、顧客にわかりにくい方法でリスク説明をされる場合もあると聞きます。

金融商品取引法によって金融商品の説明義務は課されており、昨今ではデメリットをしっかり説明する金融機関がほとんどだと思いますが、専門用語などでわかりづらく説明してくる、この書類を渡すだけ、こちらから質問したことにしっかりと対応してくれない、そういったFPには要注意です。

 

ファイナンシャルプランナーに相談する際に考えておくこと

 

弊社では初回の面談の時に以下のようなご質問をします。

 

・なんのために資産運用するのですか?

・どのぐらい使わないお金ですか?

・目標とする金額やリターンはどれくらいですか?

 

その他、10項目くらいお伺いします。

 

「え、そんなの考えたこともないよ。」と思われた方もいるかと思います。

初めての面談の方は大半が運用の目標などを明確になっていない状況です。

 

「〇〇年後に〇〇〇〇万円まで増やしたい!」などはっきりとした目標がなくとも、「あまり大きな変動はしない程度に運用したい。」「運用中、年に〇〇万円くらい受け取れたらいいな。」そんな希望でもいいです。

先にそういった「自分の理想の運用」を決めておくと、その後の運用に一貫性がでて運用自体も続けやすく、結果成功しやすいです。

自分の希望がすぐに思い浮かばなくても、一緒に引き出そうとしてくれる存在こそが、あなたにとって良いFPだと思います。

 

ファイナンシャルプランナーとうまく付き合うための5ヶ条!

 

1.自分の現在地(収入・支出、ライフイベント)を明確にしましょう。

 

2.資産運用に対する目標や理想をイメージしましょう。

 

3. 相談しようとしているFPの資格保有、実務経験、得意分野などを事前に確認しましょう。

 

4.①・②が自分ではわからない場合、一緒に考えてくれるFPかどうか見極めましょう。

 

5. メリットだけではなく、デメリットや諸費用面などのマイナス面もしっかり説明してくれるかどうか見極めましょう。

 

 

執筆者  村上 木綿子

シグマ株式会社
ファイナンシャルプランナー(AFP)

大学卒業後、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)にて資産運用コンサルタントに従事。その後、みずほ銀行を経て、シグマ株式会社に入社。お客様のことを深く知って、お気持ちに寄り添ったアドバイスを心がける。お客様毎にライフプランに最適な資産運用を提案することはもちろんのこと、相続・遺言などにも強み。
【趣味】 神社仏閣巡り、甘味食べ歩き

【座右の銘】 日日是好日